「HEARTBREAKIN'」

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ソロ活動10年目おめでとうございます。土岐さんと同世代の僕にとって、このアルバムはキラキラして眩しかったあの時代の良質のポップミュージック感に溢れたアルバムです。さまざまな音楽、歌がある中で、土岐さんの歌声は、どんな曲を歌っていても、いつも変わらない不思議な心地よい落ち着きと浮遊感を感じさせてくれます。感情には怒りや喜び、楽しさ、寂しさ、さまざまなベクトルがあって、歌なんてモノはある意味その権化みたいなものなんだけれど、土岐さんの歌声は不思議とその何処にも属さない。まるで、夜のライトアップされた東京タワーにぶら下がっているような（けしてスカイツリーではなく）または、甘くて度数の強いカクテルに飛び込んだような少し中毒性のある浮遊感。まさに洗練されたシティポップがよく似合うのである。大人が歌う、ドライなハートブレイク。やっぱり都会の女だなと思いました。

渡辺シュンスケ